彫金作家の原澤先生にお願いして作って頂いたchiel オリジナルの奴床。
この奴床は通常より持ち手の幅が小さいchielのオリジナル奴床です。
左右2本組です。
この奴床をおすすめな方は
・小柄な女性
・手が小さい方、指の短い方
・握力が弱い方
・バネ指や筋に痛みを持った方
向けに作っています。
握力に問題なく、手の大きさも通常の方や男性には向いていないかもしれません。
市販の奴床で十分だと思います。
持ち手に柔らかい羊皮を使い握った時に縫い目が当たらないように立体裁断をしています。
chiel マークが見えるように持つと縫い目が手のひらに当たりません。
鉄製奴床の特徴は何度でも仕立て直しができ手への負担が軽い(柔らかく感じます)こと。
ステンレス製は仕立て直すことは出来ませんが、錆びにくく耐久性もあります。
が、私は手への跳ね返りがきつく感じます。
どちらが優れてるというものではなく好みの問題なので全員に鉄製をおすすめする訳ではありません。
仕立て続けることができ柔らかく第二の手に感じるような鉄の奴床が私は好きです。
放置しておくと錆が発生しますがマシンオイルや錆止めスプレーでメンテナンスをしてあげてください。
大切に使えば半世紀以上はもつ(ほぼ一生ですね)鉄製の奴床。
いつかあなたの手に馴染む、愛着のある道具へとなりますように。
◾︎ chiel オリジナル 奴床の想い◾︎
長時間奴床を使うと柄の太さ、幅がとても重要になります。
開く握力がなくなるのです。
ばね付きのものは短時間の使用では握力を補助してくれますが長時間では跳ね返りがきつくなります。
以前まで使っていた奴床は通常サイズの奴床を長年研いで調整してだんだん幅が小さくなり
このサイズと同じになったものでした。
持ち手の棒径が太く奴床の握り幅がこのサイズの奴床はおそらく存在しません。
時計を作る小さなサイズの奴床はありますが、棒径や全体が小さく返ってアクセサリー作りには使いずらいのです。
長い間、いろんな鍛鉄の産地や業者さん、職人さんを探しましたがたった2本を作っていただけるところは全く見つかりませんでした。
奇跡的に原澤先生と出会えることができ、今回製作していただけることになりました。
◾︎ 原澤幸治先生と制作過程の紹介◾︎
【 原澤幸治 】
神奈川で長年に渡りアトリエ原澤を主催され彫金活動をされています。
彫金業界への知識と製作材料の提供、東急ハンズの彫金教室講師、テレビへの作品協力、個展、クラフト展の出展など。
現在、御年72歳にもかかわらずエネルギッシュに活動をされていらっしゃいます。
2年前2本の奴床を持って相模原の先生のアトリエにお邪魔しました。
目の前で1本目を作ってくださった時は感動しました。
先生の道具作りへの愛情は並々ならぬものがあります。
道具も作品もそれは楽しそうに作られていて尊敬するお師匠様です。
先生のインスタグラムはこちら
奴床制作過程の紹介

鉄棒をカットし焼き入れをしています。

奴床の形を成形。なまし、鍛鉄を繰り返して形取っていきます。

だんだん形になってきました。
この後も左右のパーツを1本にカシメさらに削り磨きをかけて成形していきます。

羊皮の持ち手を縫い合わせています。

金槌マークは原澤先生に何か銘のようなマークを入れてもらえますか?とお願いしたら
こんな可愛らしいマークが付いて送られてきました。
・素材 本体 鉄 持ち手 羊皮
・サイズ 全長 約15センチ 柄幅 約3センチ
・右用1本、左用1本の2本組