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Prototype production 原型製作
原型は350度の熱に耐えうる素材ならば何でも使います。
主に真鍮、錫、ベークライト(樹脂)を使って、切る・削る・彫る・溶接などさまざまな
技法で形を作っていきます。
作りたいものの形により方法を変えて製作します。
■ 透かし切り・溶接技法を使った原型作成 ■
金属を切ったり曲げたり、溶接をして作ります。
シャープな輪郭のものを作りたいときは主に透かし切りという技法を使います。
1. 真鍮板に下絵を貼ります。
2. 糸鋸を使って黒線以外の部分を切り落としていきます。
3. 白部分を全て切り落とした後、新たな板を用意して背板を溶接します。
これで凹凸のある原型になりました。
背景部の余分なハンダを削り落としていきます。
4. 縁に刻印を打っていきます。
5.完成。
凹凸のある天使の部分が浮き上がって見える原型が出来上がりました。
■ 削り出しによる原型作成 ■
削り出しによる成形は真鍮では固いので主に錫合金、ベークライトなど加工のしやすい素材を使います。
1. 高さを出すためにいろんな形、大きさの錫合金のパーツに穴をあけます。
2. 穴をあけた場所に真鍮の棒をいれてハンダで溶接していきます。ひとつになった塊をリューターを使って荒削りしていきます。今回は左から3番目のものを削って作ります。
3. 細かい部分もリューターのポイントの形状を替えて削り落としデティールを作り出します。
4. 完成。チェスのナイト駒をデザインしたものです。
■ 粘土石膏による成形 ■
丸いシルエットのものは削り出しよりも柔らかい形を作りやすい粘土で作ることが多いです。
熱をかけると固まるタイプの石膏粘土を使います。
1. 熱で固まる粘土石膏を用意します。
2. 適量を手でこねて柔らかくしていきます。
3. 細い紐状に伸ばしていきます。
4. 2本をより合わせてロープの形を作っていきます。
5. デザインにそって形作って完成。
その他にもガラスや木、布なども原型製作に使います。
昔は象牙で原型を作っていました。
ゴム型を作った際に組織が壊れて原型自体はなくなってしまったものもあります。
その代用として原型製作に使われるようになったのがベークライトなどの合成樹脂です。
量産用のゴム型もいずれは劣化して使えなくなります。
原型さえあればまたゴム型を作ることもできますがなくなってしまった原型はゴム型で鋳造したコピーでしか生産することは出来ません。
コピーを原型にして新しいゴム型を作ると形がダレてしまい元の美しい型のようにはなりません。
私たちにとって原型はとても大切なものなのです。
原型製作→ ゴム型製作→ 鍍金